新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)における中国の抑圧の報告は「100%真実」:ヨルダンのジャーナリスト

情報源: https://www.rfa.org/english/news/uyghur/reports-09122019172439.html

翻訳:Ilik

チェック:Yasin

中国北西部の新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)を旅行したヨルダンのジャーナリストは、国際メディアによって発表されているウイグル人をターゲットにした、北京の弾圧政策に関する報告は「100%真実」であると語った。

Nihad Jariri(ニハド ジャリリ)は7月に3週間、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)を訪問して、この地域の生活について「より現実的な視点」を得た。当局は、2017年4月以来、「過激な考えがある」、「政治的に間違っている」という理由で、150万人以上にのぼる莫大な人数のウイグル人およびその他のイスラム教徒を、強制収容所に拘束している。

フリーランスの記者は、支配者である中国共産党に忠誠を誓うウイグル人と役員が組織する政府主催のイベント以外、住民と話すことを妨げられることから、これを避けるために、彼女は観光ビザで旅行した。

北京は当初は強制収容所の存在を否定したが、今年から方針を変え、この施設がウイグル人に職業訓練を提供し、過激化を阻止し、テロから国を守る「寄宿学校」であると説明し始めた。

中国は最近、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)の収容キャンプを見学させるために、2つの訪問ツアーを開催した。1つは外国人ジャーナリストの小グループ、もう1つはロシア、インドネシア、カザフスタン、タイなど非西洋諸国の外交官のグループであり、ツアー中、中国政府の当局者は、虐待や施設の劣悪な状態にあるとする報道は「真っ赤な嘘」と主張した。

しかし、ラジオ・フリー・アジア(RFA)のウイグル語の番組や、その他のメディアによる報道では、強制収容所内の人々は意志に反して拘束され、政治的教化の対象となり、監督者の手で日常的に暴力的な扱いを受け、しばしば過密な施設で貧しい食生活と不衛生な環境に置かれていることが指摘されている。

新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)の首都ウルムチに到着したジャリリは、この強制収容所やその他の虐待に関する報告を否定するような体験をしたため、最初の24時間は「衝撃的」だったと語った。

「私の周りの人々の話や、ニュースで読んだものすべてが、完全に真実ではないと思った… [そして]この[状況]には別の物語があるのかもしれない。」と彼女は語った。

「観光客や初めての訪問者にとって、この問題は最も危険なことである… 生活はとても正常で幸せそうであり、通りはとても広くてきれいで、人々はいつも身なりが良く、それはとても爽やかだった。」

しかし、ジャリリがモスクを訪れて祈りたいと人に尋ねたときに、彼女のその印象はすぐに変わった。

「その時、私は人々が耐えなければならない苦々しさや、演技、苦しさを見ることができた。彼らは沈黙して苦しむ。」と彼女は語った。

ジャリリによれば、彼女がモスクについて尋ねたウイグル人は「緊張していた」、モスクは修理のために閉鎖されているか、一度に数分しか開かれず、入る時間も祈る時間もなかった。

彼女が訪問できそうなモスクを見つけたとき、彼女が通過できるかどうかの確認のため、顔のスキャンと身分証明書の提出、入口の前のチェックポイントの通過を要求された。

「お祈りのエリアは封鎖されていた… 私が祈ることができるかどうか、私の友人が警備員に尋ねとき、その警備員は非常に緊張していた。」と語った彼女は、結局お祈りすることは許されなかった。

ジャリリがカシュガル(中国名:カシ)地区にあるイドカーモスクに入った時も、警備員によって祈ることを妨げられた。

「正直なところ、私は怖かった」と彼女は語った。

その他の事件

カシュガル市で起きたある事件は、ウイグル人が日常生活の中で厳しく制限されているという彼女の疑念を裏付けるものであった。

カシュガルの歴史的な旧市街地区のある地域を訪れたところ、ジャリリは大きなサイレンを鳴らされて警戒された。彼女のウイグル人の仲間は、毎日「邪悪な人への警告」のために警察がそれをしていると教えてくれた。

その後、その地域を出ることを禁じられているウイグル語の通訳者と会うために、彼女はカシュガルのコナシャヘル(疏附)郡に行ったが、到着してすぐにタクシーから降ろされ、顔のスキャンと警察官の尋問を強制された。

最終的に彼女の予定は許可されたが、通訳者が危険にさらされる恐れがあるため、彼女はその通訳者に連絡して会議のキャンセルを提案したものの、通訳者は一緒に昼食を食べる計画の続行を強く望んだ。

「1時間もしないうちに、レストランの外に6人の警官がきて、彼の携帯電話を奪い、[メッセージアプリ] WeChatの私達の会話をチェックしたため、ショックを受けた」と彼女は語った。

漢人とウイグル人の二人の当局者は彼女をホテルに送り返そうとしたが、彼女は近所の公園を訪れる計画があると抗議した。

「彼らは『今日は公園が閉まっているからだめだ』と言って、外見はタクシーのような車に私を乗せたが、車内にはメーターや、[支払いシステム]、運転手のID、カメラがなかった」と彼女は言った。

「運転手は… 非常に速いスピードで運転し、ホテルで私を降ろすまで、いずれのチェックポイントにも止まらなかった。」

バーチャルな刑務所

ジャリリは、コナシャヘル郡での事件の後、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)が「1つの巨大なバーチャルな刑務所である」ことに気付いた。

「私達は[強制収容所]について話題にするが、実際は新疆と呼ばれる巨大な刑務所がある… そしてその中に小さいバーチャルな刑務所がある。」と彼女は語った。ウイグル人は定期的に、特定の地域だけの移動に制限されており、特別な許可が無ければパスポートの申請さえできない。

しかし、メディア関係者として、彼らの生活がどのようなものであるかを理解するために、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)で、ウイグル人と話すことは、通常不可能である。ジャリリによれば、「政府のガイドが同行する可能性が高いため、ウイグル人に質問することもできない。」

観光客としてこの地域を旅行したことで、彼女にはガイドが同行せず、ウイグル人と交流する自由が与えられたため、彼女は現地の人と会話でき、「外部の情報源から聞かされた話はすべて100%真実である。」ことを確認できた。

(外の世界と)コミュニケーションがない(人々から)同じことを聞くなら、(リポートが)ミスリードしていたり、誤解されたりはしていないことに気づく。」と彼女は言った。 「これらの物語は実際に起こっている。」

ジャリリは、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)の政策は、ウイグル人の宗教的伝統を損なわせるだけでなく、「(彼らの)すべてのアイデンティティを消し去り、中国文化に同化させる。」ことを目的としていると述べた。

しかし、この地域の抑圧的なセキュリティ対策は、「恨みを買うほどまでに息の詰まる状況」を作り出したと彼女は言った。

彼女は「中国政府がこの地域で作り出している状況が、人々に実際に[分離主義]を考えさせている。」、「彼らは過激主義の新しい思考様式を作り出している。」と語った。