アルバニア人教授兼ジャーナリスト:ウイグル 「再教育センター」を訪問後にショック
出自:https://stimme-de.de/2019/08/26/3944/
翻訳:Iletmish
チェック:Yasin
アルバニア人の教授兼ジャーナリストのOlsi Jazexhi氏は、中国当局に許可されウイグルを訪問した後に、こう述べている。そこの施設は集中キャンプと呼ばざるを得ない。詳細は以下のとおり。
中国の友人の皆様、申し訳ございません。私をゲストとして迎えて頂き、今回は御馳走様でした。しかし、そこの施設は集中キャンプと呼ばなければなりません。現場に行って自分の目で確かめるまでは、ウイグル人に関するニュースはいずれも捏造だと信じてきました。しかし自分で確認すると、その様子に驚きはてて、倒れそうになりました。
私は事実を自分の目で確かめて、欧米のメディアのウイグル人弾圧に関するニュースは捏造であることを暴きたいという気持ちで、ウイグルに向かいました。ところが、いわゆる職業訓練センターを訪れたとき、目撃したのはウイグル人に対する、驚くほど大規模な犯罪でした。
漢人が実権を持つウイグル自治区当局が行っているのは、ウイグル人とイスラームに対し、宣戦したことと同じです。私が訪れた何か所かのモスクは、恐怖に溢れた雰囲気でした。トルコ人の同僚と、カシュガルのバザールで何人かのウイグル人と話していたところを、同行の漢人に見られました。漢人が寄って来たら、そのウイグル人たちはすぐ逃げてしまいました。連れて行かれたモスクはがら空きで、集団礼拝は他の信者さんを呼んできて一緒に祈るよう頼むしかありませんでした。
アクスにある職業訓練センターにいる若者たちは、一、二年ぐらい拘束されたと言います。拘束された理由は、政府の許可なしにクルアーンを読んだこと、一日に五回祈ったこと、インターネットで宗教関連の情報を調べたことなどでした。センターの関係者は「この人たちは過激思想に染まった人、テロリスト」だと紹介しました。
今回同行のインド人はヒンドゥー教徒で、私と同様、驚いたと言います。確かにインドのイスラーム教徒とヒンドゥー教徒の仲は良くないのですが、中国のように大規模な差別は見たことが無いそうです。これらの「職業訓練センター」は、イギリスの作家ジョージ・オーウェルの小説『1984』で描かれていたものそのものです。21世紀に、このような政府があることが信じられません。北朝鮮もここまでやっていません。この時から、私は中国と決別しました。
トルコ、インド、アフガニスタン、バングラデッシュからの同行者も、みんな驚いていました。中国人の同行者は私に感想を聞きました。「これは酷い。ウイグル人を集団で侮辱しています。これは実際には、中国自身を傷つけているのです!ユーゴスラビア連邦共和国のスロボダン・ミロシェヴィッチのやり方と同じだ。」と私は答えました。
そこに拘束された人は、まず自分の「罪」、「クルアーンを読んだ」、「礼拝した」と認め、改心を強いられます。ウイグル人で、アッラーを信仰し、礼拝していれば、まずそういう「罪」認めなければなりません。そして「トレーニング」つまり洗脳を受けなければなりません。
彼らは刑務所に行くか、そうでなければ中国当局に洗脳されマルクス主義を信じる馬鹿になるかの、どちらかを選択しなければならなりません。センターに拘束された一人は「私はアッラーのことなど信じない、マルクス主義を信じる」と言います。マルクスの著作を読んだことがあるかと聞いたら、「無い」との答えでした。アクス市にある集中キャンプの状況はより深刻です。砂漠に建てられたこの施設は、「許されざる」テロリストのためであり、ほとんどは若い人でした。
今のウイグル人の境遇は、ミロシェヴィッチ政権のユーゴスラビア連邦共和国と同じだと考えられます。ウイグル人は中国による支配に反対していることも知っています。中国はウイグル人に「飴と鞭」政策を用いており、民族アイデンティティとイスラーム信仰を放棄すれば、良い生活ができます。そうでなければ、集中キャンプに収容されます。
ある当局者は私たちに、「このような集中キャンプはウイグル全土で68か所ある」と教えてくれました。アクス市にあるそのキャンプは、状況がまだましであると考えられ、私たちの訪問の対象として選ばれたのでしょう。つまり、他のキャンプの状況は、どれだけ深刻か推して知るべしです。
多くの(海外にいる)ウイグル人は私に連絡し、家族の行方を尋ねるよう頼んできました。申し訳ございませんが、それは、私には出来ませんでした。私たちの訪問は事前に手配されたものなので、自由に行動することは出来ませんでした。カシュガルで取材を受けてくれた人は、事前に用意され、何を言うのかまで決められてから、取材を受けさせたと思われます。現地の人は、みんな私たちを避けて、会話をしないようにしていることからも、その人達の恐怖がどれほどのものか、容易く想像できます。
訪問の最終日の前日、中国の当局者は怒り出しました。
李という当局者は脅しの口調で、私の同僚に言っていました。「国に戻ってから、ネガティブな記事は書かないほうが良いです。そういうものは認めません。」同僚は了解し、私は断りました。そもそも私は「ウイグル人に関するニュースは、いずれも欧米メディアによる捏造」ということを証明するために、中国の味方をするために来ました。しかしここで起きていることに、とても驚きました。あなたたちは悪の道を、ここまで走り続けていることが不思議です。
当局者は「こちらから無料のトレーニングと食事の提供をしているのだから、ありがたいことではないか。」と反発しました。収容された人数については「中にいる人は、言われているような100万ではない。精々50万人程度ではないか。」とも述べました。平気で50万人という人数を口にしたその人に、私は言葉を失いました。
中国政府のおもてなしについては、誠にありがとうございます。しかし、私は自分の目で見た真実を話さなければなりません。私はジャーナリストであるというだけで、中国を敵視しているわけでもありません。中国は「前車の覆るは後車の戒め」を知るべきで(訳者注:「前车之鉴」は中国のことわざで、中国人なら必ず知っているはずのもの。)、ユーゴスラビア連邦共和国のことを戒めとし、ウイグル人全員に敵視されないようにするべきです。中国政府の白書では「これらは全てテロへの予防対策」と述べられています。ここではっきりと言いますが、その行為は、集団拘束であり、ウイグル人を侮辱しており、極端な方向へと追い詰めることです。あなたたちのそういった行為は、身から出た錆となり、自分たちに返ってくることでしょう。私の願いは、一日も早くそれらのキャンプを閉鎖し、ウイグル人を釈放し、家族と団欒させていただきたい、ということです。